弁護士佐藤光子のブログ

環境(ESG,SDGs)、ビジネスと人権、食品などのブログです

食品産業とSDGs

食品関係の中小企業の方から、「最近SDGsということばをよく耳にするようになり、他社でも取り組みを始めたと聞くが、企業として取り組むメリットはあるのでしょうか」というご質問を受けることがあります。

SDGsに取り組むことでビジネスの発展を図ることができ、またリスクの回避も可能になるなどのメリットがあり、多くの企業が取り組んでいます。

1 ビジネスの発展

  食品の供給を通じて、SDGsのめざす豊かで健康な社会に貢献できるという側面があります。原料生産者や、消費者、地域社会とともに発展を目指すことで、ビジネスパートナー、将来の市場、原料の安定供給をはかることが可能になります。

2 事業の将来のリスクの回避

  食品産業は自然資源と人的資源に支えられているため、環境と社会が不安定になるとビジネスリスクに直結します。例えば、気候変動による異常気象は農作物に影響しますので、食品産業は影響を受けやすいと言えます。

3 企業の社会的価値

  消費者・株主、取引先、自治体などから選ばれる企業となるために、SDGsへのり組みは有効です。また、ESG投資の急成長により、非財務情報の重要度が増しています。持続可能な調達ということもいわれており、取引先の選定や調達の基準としてSDGsに取り組んでいるかが基準になることもあります。

  さらに、エシカル消費(倫理的消費)といわれているように、消費者の消費行動として、どの企業の商品を購入するかの基準としても参考にされています

良いことづくめのSDGsですが、取り組むにあたり気を付けなければならないこととしては17のゴールの一つの目標だけを見ないで、バランスよくということが言えます。また、サプライチェーン全体を考える必要があり、例えば食品ロス回避のため、余剰商品を取引先に押し付けるのでは目標達成にならないということが言えます。

是非、大企業、中小企業を問わずSDGs導入を検討していただきたいと思います。