弁護士佐藤光子のブログ

弁護士佐藤光子(東京弁護士会所属)のブログです

動物愛護法改正まとめ(条文入り)

動物愛護法は今年6月に4度目の大改正をしました。今回の改正の要点につき、以前の記事でもまとめましたが、今回は網羅的にまとめてみます。

 

平成24年の改正の際に、法施行後5年を経過した場合の見直し条項が規定され、特に幼齢の犬猫の販売等の制限(販売日齢の規制)、マイクロチップの装着の義務づけについては必要な検討を行うことを規定されていました。今回の改正では、動物取扱業のさらなる適正化、動物の不適切な取扱いへの対応の強化がポイントです。

主な改正内容です。

 

1. 動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化
動物の所有者または占有者は、環境大臣が使用保管に関する基準を定めているときは。その基準を遵守しなければならないことになりました(7条)。

 

2.第一種動物取扱業による適正飼養等の促進等

① 登録拒否事由が追加されました(12条)。

環境省令で定める遵守基準が具体的に明示されることとなりました(21条)。
遵守基準としては飼養施設の構造・規模、環境の管理、繁殖の方法等があげられます。

③ 犬・猫の販売場所を事業所に限定することになりました(21条の4)。

④出生後56日(8週)を経過しない犬又は猫の販売等を制限することになりました(22条の5)。但し、文化財保護法の規定により天然記念物として指定された犬の繁殖を行う犬猫等販売業者が、犬猫等販売業者以外にその犬を販売する場合は、49日(7週)と特例が規定されています(附則2)。

 

3.動物の適正飼養のための規制の強化

①適正飼養が困難な場合の繁殖防止が義務化されました。犬猫の所有者は、繁殖により適正飼養が困難になるおそれのあるときは、繁殖防止のため、生殖を不能にする手術等の措置を講じることが義務化されました(37条)。

都道府県知事は、周辺の生活環境が損なわれている事態が生じていると認めるときは、指導、助言を行い、報告徴収、立入検査等が出来ることになりました(25条)。

特定動物(危険動物)に関する規制が強化され、愛玩目的での飼養等を禁止・特定動物の交雑種を規制対象に追加しました(25条の2)。

④ 動物虐待に対する罰則が引き上げられ、殺傷罪は5年以下の懲役または罰金500万円以下の罰金と規定されました(44条1項)。虐待罪・遺棄罪は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となりました(44条2項)。

 

4.都道府県等の措置等の拡充


①動物愛護管理センターの業務が規定されました(37条の2)。

②「動物愛護担当職員」の名称が「動物愛護管理担当職員」に改められ、必置となりました(37条の3)。

③所有者不明の犬猫の引取りを拒否できる場合が規定されました(35条)。

 

5.マイクロチップの装着等

①犬猫の繁殖業者等にマイクロチップの装着・登録が義務付けられ、義務対象者以外の所有者は努力義務となりました(39条の2、39条の5)。

②登録を受けた犬猫を所有した者は変更届出が義務付けられました(39条の6)。

 

6.その他

①動物を殺す場合の方法に係る国際的動向へ配慮することが規定されました(40条3項)。

②獣医師による虐待等の通報が義務化されました(41条の2)。

③ 関係機関の連携の強化につき規定されました(41条の4)。

④ 国は、地方公共団体が動物愛護・適正飼養推進の施策のため必要な財政措置等をするよう努めることとされました(41条の5)。

⑤ 施行後5年を目途に施行状況を検討し必要な措置を講ずる事とされました(附則11)。