では、今後、動物取扱業者の規制のために、動物愛護法はどのように改正、改善していけば良いのでしょうか。
方法としては、現行の登録制のもとでできることとしては、下記のようなことがあげられると思います。
① 現行法では、動物愛護法違反等の関連法違反で罰金以上が確定しないと登録拒否で きませんし、関連法違反がないと登録取消、業務停止を適用できません。たとえば繁殖業者が動物愛護センターに虚偽の申告をして偽計業務妨罪に問われたケースや、動物の大量遺棄で廃棄物処理法違反に問われた場合は、これには当たらなくなってしまう訳で、登録拒否、登録取り消しと言ったことができなくなっています。そのため、対象となる法や動物由来の事件に対象を広げることを検討しても良いのではないかとも考えられます。
② 登録時、更新時の立ち入りは現在は任意ですが、これを義務化して、登録させるのに妥当な業者かを確認することが検討されても良いと思います。
③ 取消処分は、現行は取り消すことが「できる」と任意で、行政裁量の余地があるため、業者にとっては不利益処分となる業務停止や登録取り消しを行政は慎重に行使しようとするあまり、実際はほとんど行使されていません。必ず取り消すことにするという必要的取り消しが検討されても良いでしょう。
④ 登録取消後の再度の登録の欠格期間を現行の2年から引き上げ、厳しくし5年に延長することが検討されても良いでしょう。
⑤ 動物保護の現場から指摘されている、問題が多い動物輸送業につて、現在は動物取扱業ではありませんが、動物取扱業に追加をして、動物愛護法の規制の対象とすることが考えられます。
⑥ 現場の行政機関が、動物愛護法違反か否かについて判断し、適切な対応がとりやすいように、具体的な飼養施設の数値基準や行政処分の基準を策定することが考えられます。