弁護士佐藤光子のブログ

弁護士佐藤光子(東京弁護士会所属)が食品安全やペット問題、環境問題、医療問題など関心分野について日々つづるブログです

8週令規制について

次回動物愛護法改正に向けた議論で、8週令規制は憲法上の営業の自由の制約になるから合理的根拠が必要で、合理的根拠として8週令で規制しなければならないという科学的根拠が必要といった、かなり単純化された憲法議論が最近見受けられます。

私は、大学時代は憲法専攻でしたが、この様な議論の立て方はかなり大雑把で、憲法のオーソドックスな議論をきちんと踏まえたものとはいえず、疑問です。

確かに憲法上の権利や自由の制約に合理的根拠が必要です。

しかし、営業の自由の様な経済的自由の制約の場合は政策的制約可なので

制約目的の合理性、制約目的と手段の合理的関連性があれば規制が可能です。

動物愛護法がらみの場合は、「愛護法の基本原則」の達成が目的で、その目的が合理的であれば、それと合理的関連性のある規制なのかが問題なのではないかと思います。

交通規制の場合は人身の保護が目的で、動物愛護法関係の規制とは規制目的が違うので、単純に人に関する規制の合憲性は緩い判断でよく、動物に関する規制は厳格な判断でなければならないという比較はできないのではないかと思っています。

また、科学的根拠がイコール法的な合理性を支える根拠となりうるというわけではなく

科学的根拠は、流動的でむしろ不確実で重視すべきでないと言う意見もあるし

科学的知見も、社会科学的なもの、人文科学的なものも含めて考えるべきであり、自然科学的知見のみ重視されるというものでもありません。

また、合理性のある手段(規制)かを考える上で、、予防原則の考え方も検討されます。

そういう観点からは、8週令の論点で、「科学的根拠」なるものを大雑把に持ち出し、特定の調査に根拠を求めて合理性の有無を判断しようという考えには、大変違和感を感じます。憲法論というならもっと従来からの憲法の考え方に沿った緻密な判断をしたほうが良いのではないかと思います。