弁護士佐藤光子のブログ

弁護士佐藤光子(東京弁護士会所属)が食品安全やペット問題、環境問題、医療問題など関心分野について日々つづるブログです

中級食品表示診断士になりました!

中級食品表示診断士の試験に合格しました!

ここのところ、食品関係のお仕事が続いており、せっかくなので趣味と実益を兼ねて食品表示診断士中級をうけました。食品表示はパズルの様な部分もあり、ひっかけ問題もあり、頭の体操にもなります。何でも、合格はうれしいですよね

 https://www.amazon.co.jp/dp/4478090513?tag=shokuhyo-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4478090513&adid=1PZD6XVFJAK3F1CBYBQW&

三井食品フードショ―2017

f:id:syokuhin-pet:20170622233344j:plain

パシフィコ横浜での三井食品さんのフードショーに行ってきました。みなとみらいは、かなり久しぶりです。フードショーでは、惣菜、加工食品、酒類、地方物産、ペット商品などのこれから発売する新商品、リニューアル商品などの展示、試食などが行われていました。展示をしている各社の方と意見交換させて頂きましたが、健康志向商品(なぜか豆乳系商品が多かったような気がします)と、より簡単・便利に調理できる商品の展示が多かったような気がしました(お湯捨て不要のカップラーメンなど)。ペットフードも人間の食品も顔負けの無添加、安心・安全、栄養補強などのラインが充実し、産地限定とか○○産と産地明示などされた商品群もあり、なかなかのものでした。

消費者庁 食品安全に関する総合情報サイトはじめる

 消費者庁が食品安全に関する総合情報サイトをはじめました。まだ工事中の部分が多いですが、食品添加物放射能汚染、残留農薬などの項目もあり、情報収集に役立ちそうです。趣味と実益を兼ねた食品オタクとしては見逃せません。

「消費者の皆様が不安に感じていると思われる分野について食品の安全に関する情報をまとめていますので、ご活用ください。」とのことです。

食品が生産現場から食卓に届くまで

http://www.caa.go.jp/…/cons…/food_safety/food_safety_portal/より

景品表示法の課徴金制度の概観

食品の偽装問題、誤認表示問題を受けて、違反者が得た利益を剥奪するための制度として、景品表示法の課徴金制度が2014年11月に成立し、昨年4月1日に施行されました。

課徴金の対象となるのは、景品表示法上の優良誤認表示と有利誤認表示です。
優良誤認表示とは、一般消費者に、実際の商品やサービスよりも著しく優良だと誤認させるような表示です。たとえば、添加物を使用した食品に無添加と表示するようなケースがあたります。
有利誤認表示とは、一般消費者に、実際の取引条件よりも著しく有利な取引条件だと誤認させるような表示です。たとえば、メーカー小売価格の半額と表示があったが、メーカー小売価格は設定されていなかったようなケースがこれにあたります。

 課徴金の対象期間は最大3年で、誤認表示をしていた期間が対象となりますが、誤認表示をやめた後に商品や役務の取引があった場合、誤認表示をやめた日から6か月後、または誤認表示を撤回することを新聞に掲載するなど誤認のおそれを解消するための措置を採った日のいずれか早い日までが対象期間となります。
課徴金額は、誤認表示の対象となった商品やサービスの売上の3パーセントです。課徴金の額が150万円未満となる場合には、課徴金は賦課されません。

また、事業者が課徴金の対象となる誤認表示をした場合であっても、それが優良誤認表示または有利誤認表示に当たることを知らず、かつ、知らないことについて相当の注意を怠った者でないと認められるときは、消費者庁長官は、課徴金の納付を命ずることができません(景品表示法8条但書前段)。
景品表示法上、事業者には、表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じる義務が課されていますが、「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」というガイドライン内閣府から出されており、このガイドラインに沿った措置をとっていれば、相当の注意を怠ってはいないとされると思われます。ガイドラインで、事業者が講じるべき措置は下記のようになっていますので、これに沿った措置をとることが事業者には求められます。
1.景品表示法の周知・啓発
不当表示等の防止のため、景品表示法の考え方について、表示等に関係している役員及び従業員(関係従業員等)にその職務に応じた周知・啓発を行うこと。
2.法令遵守の方針等の明確化
不当表示等の防止のため、景品表示法を含む法令遵守の方針や法令遵守のためにとるべき手順等を明確化すること。
3.表示等に関する情報の確認
商品又は役務の長所や要点を一般消費者に訴求するために、その内容等について積極的に表示を行う場合には、当該表示の根拠となる情報を確認すること。
4.表示等に関する情報の共有
その規模等に応じ、前記3のとおり確認した情報を、当該表示等に関係する各組織部門が不当表示等を防止する上で必要に応じて共有し確認できるようにすること。
5.表示等を管理するための担当者を定めること
表示等に関する事項を適正に管理するため、表示等を管理する担当者又は担当部門をあらかじめ定めること。
6.表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること
前記3のとおり確認した表示等に関する情報を、表示等の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認するために、例えば、資料の保管等必要な措置を採ること。
7.不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応
特定の商品又は役務に景品表示法違反又はそのおそれがある事案が発生した場合、その事案に対処するため、次の措置を講じること。
(1)当該事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(2)前記(1)における事実確認に即して、不当表示等による一般消費者の誤認排除を迅速かつ適正に行うこと。
(3)再発防止に向けた措置を講じること。

また、自主申告による減額もあります。事業者が、自主的に優良誤認表示、有利誤認表示の事実を消費者庁長官に申告した場合、課徴金額の50%相当額が減額されます(景品表示法9条)。ただし、行政による調査が入った後に、自主申告しても、課徴金は減額されません(同条ただし書)。

さらに、返金による減額も定められています。事業者は、消費者庁に返金計画を届出た上で、誤認表示に基づいて商品やサービスを購入した消費者に代金の一部(商品やサービスの購入額の3%以上)を返金すると、課徴金の減額を受けることができます(10条1項)。

食品コンプライアンスはなぜ重要か

コンプライアンスの重要性は全ての企業に言える事ではありますが、特に食品業界はその順守が強く求められています。

食品は、食べた人の健康や生命に直結するものであり、消費者の安全・安心に関する関心の高い商品です。また、ひとたび食中毒など事故が起きれば、お年寄りや子供など、弱者が影響を受けやすいと言う点もあり、消費者からの安全性への要求の高い商品を扱っていると言えます。

そのため、商品の安全性にトラブルがあると、その対応を間違えば、企業としての信頼を一気に失い、倒産など企業としての存在そのものを危うくしかねないと言う恐ろしさを持っています。

ですので、食品にかかわる企業は、食品に関する法令を現場の職員も含め、順守していくことが求められます。

一方で、食品に関する法令は、食品衛生法食品表示法、景表法をはじめ、他気に渡っており、表示に関する規定などは、まさにパズルのように入り組んでおり正確に運用するだけでも大変な面もあり、現場任せでは対応が難しい側面もあります。産地偽装、誤表示が起きやすいのもそのような困難さも一因ではないかと思われます。また、法令ごとに監督官庁も複数にまたがっており、現場対応の難しさに拍車をかけている側面もあるのかもしれません。この様な側面こそ、是非、食品の法律に精通した法律家を活用して頂き、食の提供の現場で働くみなさまに自信を持って安心・安全な食の提供をして頂くことが消費者のみならず、企業の発展にとっても重要だと考えています。

栄養機能食品とはどんなもの

健康に良さそうな表示をしている食品は、トクホ、機能性表示食品以外でよくみられるものとしては、栄養機能食品というものがあります。栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン・ミネラル)の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能の表示をして販売される食品です。表示が可能な栄養素は、科学的根拠が医学的、栄養学的に認められたミネラル、ビタミンなどに限られており、栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が、定められた上・下限値 の範囲内にある必要があるほか、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等も表示する必要があります。

栄養機能食品は、特定の栄養成分の補給のためのものであるため、トクホと異なり商品の個別の審査は不要ですし、機能性表示食品のように商品の科学的根拠を示して届出することも必要ではありません。

栄養機能食品の表示に当たっては、法令で表示が義務づけられている事項及び表示が禁止 されている事項に注意する必要があります。表示方法の詳細は、消費者庁のHPに掲載されています。

この様に、栄養機能食品は、特定のビタミン、ミネラルなどを補給したい人向けの食品といえます。

マイクロチップの義務化と情報管理

動物愛護法の次回改正に向けての積み残し問題として、マイクロチップ義務化の問題があります。

マイクロチップは、現在は飼主などが任意で獣医さんに入れてもらい、獣医師会などが情報管理をしているようです。

マイクロチップの関係者をめぐっては、管轄官庁が環境省厚労省農水省にまたがっているということですが、マイクロチップ情報の実効性を考えれば、情報管理は一元化すべきです。動物愛護法によるマイクロチップの義務化だとすると、環境省が管轄するのが妥当ではないかという気がしますが、実際には獣医さんがマイクロチップを入れる事を考えると、どのように連携していくのかと言う実務的問題もあるのかもしれません。

また、マイクロチップ内の情報をどの程度盛り込むのかということも問題です。動物の不法な遺棄など考えると、情報は追跡できるよう、詳しい方が良い様な気もするかもしれませんが、個人情報の管理と言う点では、盛り込めば盛り込む程、情報漏洩の際の被害が大きくなりますし、データの保管の為のサーバーの容量を要し、費用が高くなると言う問題もあります。また、データを読み込むリーダーの使用権限を誰がもつのかというのも問題です。警察(交番)や保健所などの現場で使用出来れば便利ではありますが、あまり広く普及すると、個人情報の漏えいのリスクも高くなります。

マイクロチップの義務化に関しては、情報管理の観点から検討課題が結構ありそうな気がします。