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弁護士佐藤光子のブログ

弁護士佐藤光子が食品安全やペット問題、環境問題、医療問題など関心分野について日々つづるブログです

「100歳の精神科医が見つけた心のさじ加減」を読んで

知人から、なかなかよかったと頂いた本ですが、著者は100歳の精神科医の女医さんで今も現役とのこと。本には、メンタルに関するヒントがいっぱいで、一気に読んでしまいました。

私が特に心に残ったヒントは、まずは、「普段から心を穏やかにしておくことが大切。そのためには迷いすぎない事が肝心」ということです。

以前女性雑誌で、やはり医師の方が、選択の機会が多すぎると、自律神経が疲れてしまうと言う様な事を言っている記事がでており、選択の機会を意識的に減らす、飲み会なども少しでも迷ったら止めると言う自分のルールを作るなど、選択で迷いすぎないようにしないと精神的によくないという事を書いていたのを思い出しました。

自分の事は自分で決めると言う事は重要ですが、そこであまりに神経を使いすぎないと言う事も一方では大事なようです。確かに、私も5分間に3つくらい決断しなければならないという状態が続いた事がありますが、肉体的には何もしていないのに疲労困憊でした。

あとは、「人間の体には使わなければ廃れると言う原則があり、それは心も同じで使わなければさびていく」と言う事。感動や共感など、心を動かされる機会を意識的に持つ事も重要なようです。

 

景品表示法の課徴金制度の概観

食品の偽装問題、誤認表示問題を受けて、違反者が得た利益を剥奪するための制度として、景品表示法の課徴金制度が2014年11月に成立し、昨年4月1日に施行されました。

課徴金の対象となるのは、景品表示法上の優良誤認表示と有利誤認表示です。
優良誤認表示とは、一般消費者に、実際の商品やサービスよりも著しく優良だと誤認させるような表示です。たとえば、添加物を使用した食品に無添加と表示するようなケースがあたります。
有利誤認表示とは、一般消費者に、実際の取引条件よりも著しく有利な取引条件だと誤認させるような表示です。たとえば、メーカー小売価格の半額と表示があったが、メーカー小売価格は設定されていなかったようなケースがこれにあたります。

 課徴金の対象期間は最大3年で、誤認表示をしていた期間が対象となりますが、誤認表示をやめた後に商品や役務の取引があった場合、誤認表示をやめた日から6か月後、または誤認表示を撤回することを新聞に掲載するなど誤認のおそれを解消するための措置を採った日のいずれか早い日までが対象期間となります。
課徴金額は、誤認表示の対象となった商品やサービスの売上の3パーセントです。課徴金の額が150万円未満となる場合には、課徴金は賦課されません。

また、事業者が課徴金の対象となる誤認表示をした場合であっても、それが優良誤認表示または有利誤認表示に当たることを知らず、かつ、知らないことについて相当の注意を怠った者でないと認められるときは、消費者庁長官は、課徴金の納付を命ずることができません(景品表示法8条但書前段)。
景品表示法上、事業者には、表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じる義務が課されていますが、「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」というガイドライン内閣府から出されており、このガイドラインに沿った措置をとっていれば、相当の注意を怠ってはいないとされると思われます。ガイドラインで、事業者が講じるべき措置は下記のようになっていますので、これに沿った措置をとることが事業者には求められます。
1.景品表示法の周知・啓発
不当表示等の防止のため、景品表示法の考え方について、表示等に関係している役員及び従業員(関係従業員等)にその職務に応じた周知・啓発を行うこと。
2.法令遵守の方針等の明確化
不当表示等の防止のため、景品表示法を含む法令遵守の方針や法令遵守のためにとるべき手順等を明確化すること。
3.表示等に関する情報の確認
商品又は役務の長所や要点を一般消費者に訴求するために、その内容等について積極的に表示を行う場合には、当該表示の根拠となる情報を確認すること。
4.表示等に関する情報の共有
その規模等に応じ、前記3のとおり確認した情報を、当該表示等に関係する各組織部門が不当表示等を防止する上で必要に応じて共有し確認できるようにすること。
5.表示等を管理するための担当者を定めること
表示等に関する事項を適正に管理するため、表示等を管理する担当者又は担当部門をあらかじめ定めること。
6.表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること
前記3のとおり確認した表示等に関する情報を、表示等の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認するために、例えば、資料の保管等必要な措置を採ること。
7.不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応
特定の商品又は役務に景品表示法違反又はそのおそれがある事案が発生した場合、その事案に対処するため、次の措置を講じること。
(1)当該事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(2)前記(1)における事実確認に即して、不当表示等による一般消費者の誤認排除を迅速かつ適正に行うこと。
(3)再発防止に向けた措置を講じること。

また、自主申告による減額もあります。事業者が、自主的に優良誤認表示、有利誤認表示の事実を消費者庁長官に申告した場合、課徴金額の50%相当額が減額されます(景品表示法9条)。ただし、行政による調査が入った後に、自主申告しても、課徴金は減額されません(同条ただし書)。

さらに、返金による減額も定められています。事業者は、消費者庁に返金計画を届出た上で、誤認表示に基づいて商品やサービスを購入した消費者に代金の一部(商品やサービスの購入額の3%以上)を返金すると、課徴金の減額を受けることができます(10条1項)。

食品コンプライアンスはなぜ重要か

コンプライアンスの重要性は全ての企業に言える事ではありますが、特に食品業界はその順守が強く求められています。

食品は、食べた人の健康や生命に直結するものであり、消費者の安全・安心に関する関心の高い商品です。また、ひとたび食中毒など事故が起きれば、お年寄りや子供など、弱者が影響を受けやすいと言う点もあり、消費者からの安全性への要求の高い商品を扱っていると言えます。

そのため、商品の安全性にトラブルがあると、その対応を間違えば、企業としての信頼を一気に失い、倒産など企業としての存在そのものを危うくしかねないと言う恐ろしさを持っています。

ですので、食品にかかわる企業は、食品に関する法令を現場の職員も含め、順守していくことが求められます。

一方で、食品に関する法令は、食品衛生法食品表示法、景表法をはじめ、他気に渡っており、表示に関する規定などは、まさにパズルのように入り組んでおり正確に運用するだけでも大変な面もあり、現場任せでは対応が難しい側面もあります。産地偽装、誤表示が起きやすいのもそのような困難さも一因ではないかと思われます。また、法令ごとに監督官庁も複数にまたがっており、現場対応の難しさに拍車をかけている側面もあるのかもしれません。この様な側面こそ、是非、食品の法律に精通した法律家を活用して頂き、食の提供の現場で働くみなさまに自信を持って安心・安全な食の提供をして頂くことが消費者のみならず、企業の発展にとっても重要だと考えています。

栄養機能食品とはどんなもの

健康に良さそうな表示をしている食品は、トクホ、機能性表示食品以外でよくみられるものとしては、栄養機能食品というものがあります。栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン・ミネラル)の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能の表示をして販売される食品です。表示が可能な栄養素は、科学的根拠が医学的、栄養学的に認められたミネラル、ビタミンなどに限られており、栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が、定められた上・下限値 の範囲内にある必要があるほか、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等も表示する必要があります。

栄養機能食品は、特定の栄養成分の補給のためのものであるため、トクホと異なり商品の個別の審査は不要ですし、機能性表示食品のように商品の科学的根拠を示して届出することも必要ではありません。

栄養機能食品の表示に当たっては、法令で表示が義務づけられている事項及び表示が禁止 されている事項に注意する必要があります。表示方法の詳細は、消費者庁のHPに掲載されています。

この様に、栄養機能食品は、特定のビタミン、ミネラルなどを補給したい人向けの食品といえます。

マイクロチップの義務化と情報管理

動物愛護法の次回改正に向けての積み残し問題として、マイクロチップ義務化の問題があります。

マイクロチップは、現在は飼主などが任意で獣医さんに入れてもらい、獣医師会などが情報管理をしているようです。

マイクロチップの関係者をめぐっては、管轄官庁が環境省厚労省農水省にまたがっているということですが、マイクロチップ情報の実効性を考えれば、情報管理は一元化すべきです。動物愛護法によるマイクロチップの義務化だとすると、環境省が管轄するのが妥当ではないかという気がしますが、実際には獣医さんがマイクロチップを入れる事を考えると、どのように連携していくのかと言う実務的問題もあるのかもしれません。

また、マイクロチップ内の情報をどの程度盛り込むのかということも問題です。動物の不法な遺棄など考えると、情報は追跡できるよう、詳しい方が良い様な気もするかもしれませんが、個人情報の管理と言う点では、盛り込めば盛り込む程、情報漏洩の際の被害が大きくなりますし、データの保管の為のサーバーの容量を要し、費用が高くなると言う問題もあります。また、データを読み込むリーダーの使用権限を誰がもつのかというのも問題です。警察(交番)や保健所などの現場で使用出来れば便利ではありますが、あまり広く普及すると、個人情報の漏えいのリスクも高くなります。

マイクロチップの義務化に関しては、情報管理の観点から検討課題が結構ありそうな気がします。

機能性表示食品の実際

体によさそうな食品としては、トクホでおなじみの特定保健用食品はご存知の方は多いと思いますが、機能性表示食品をまだご存じでない方は多いかもしれません。

機能性表示食品制度は2015年4月から始まった制度で、企業が科学的根拠に基づいた機能性を消費者庁に届け出れば、食品の健康効果を表示できるという制度です。トクホとの違いは、トクホは国による個別審査が必要ですが、機能性表示食品は、あくまで企業側の申告に基づいており、安倍内閣規制緩和の一環として設けられた制度です。販売のための要件は、健康増進法の規定によるものではなく、通知やガイドラインで定められています。商品表示としては、「内臓脂肪を減らす」「腸内環境を改善する」「脂肪と糖の吸収を抑える」といったものがあります。

読売新聞記事(5月12日)によれば、5月10日までに消費者庁が受理した件数は882件で、サプリメントや飲料に加え、菓子やカップめんなど種類も増えており、市場規模も2015年に比べ2017年は4倍以上になる見込みとのことで、これからも大幅に増えそうです。そんな中、成分量に問題があったり、企業の届け出資料では成分分析できないという困ったケースも消費者庁の検証ではあったとのことです。

これからますます、私たちは機能性表示食品を目にすることが増えそうですが、機能性表示食品は、原則として、健康な人を対象としていることから、表示は、健康の維持や増進に関する表現のみが認められています。病気の人、未成年者、妊産婦、授乳婦は対象外ですので、病気の治療や予防、病気のリスク低減などの表示は認められていません。糖尿病の予防、高血圧の予防といったようなことは記載できません。

あくまで、通常の食事をバランスよく取り入れながら、そのなかで取り入れるべきものという機能性表示食品の特徴をしっかり捉え、過度にその効果に依存することなく摂取することが必要です。

 

ネット炎上対策は再炎上回避も検討していますか?

 

企業、特に食品を扱う企業にとって、ネットでの炎上対策は頭の痛いところかと思います。アルバイト従業員などが、コンビニ店舗のアイスケースに体を入れた写真をSNS上でアップしたり、飲食店の厨房に入った写真をアップしたりして、不衛生であるとネット上で炎上したり、批判が店舗に殺到、最悪では倒産に至るケースもあります。

このようなことがないように、事前にパートやアルバイト店員であっても教育の徹底などの対策もありますが、不幸にして、炎上する事態になる場合もありますこのような場合、記事をすぐに削除する、ひどい書き込みには発信者情報開示請求など思いつくのかもしれませんが、単純にそうすることで、かえって再炎上の可能性がないかも検討することが必要です。削除しても、隠ぺいしたかのように思われ、だれかその記事を保存していた人が、再度アップし、再炎上してかえって拡散してしまうこともあり得ます。まずは、自社の落ち度がないか、事実関係はどうなのかをきちんと調査し、謝罪すべき事は謝罪したうえで、対内的な処分も検討し、企業ダメージを最低限に抑えるにはどうするのがよいのか総合的に検討することが必要となります。