弁護士佐藤光子のブログ

弁護士佐藤光子が食品安全やペット問題、環境問題、医療問題など関心分野について日々つづるブログです

「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム」9月19日衆議院第一議員会館

 杉本彩さんが理事長をされている公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 主催の「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム」が9月19日(火)に衆議院第一議員会館(300人定員)で開催されることになり、私は動物取扱業者の「登録制と許認可制」の論点についてお話しさせていただくことになりました。来年の改正での重要論点についてのシンポジウムですので、是非たくさんの方に参加していただきたく思います。
事前申し込み制で、席に限りがありますので、お早めにお申し込み下さい。

www.eva.or.jp

農薬の規制はどうなっているの?(農薬取締法・後半)

農薬取締法について、前回の解説の続きです。

(1) 登録保留基準

 環境大臣が定める基準で,作物残留性,土壌残留性,水産動植物への毒性,水質汚濁性などに関するものがあります。

 作物残留性とは,申請書の記載に従って使用した場合,農作物などに汚染が生じ,汚染された農作物が原因となって人畜に被害が生ずるおそれがあることです。

 土壌残留性とは,同じく申請書の記載に従って使用した場合,農地が汚染されて農作物の汚染が生じ,その汚染された農作物が原因となって人畜に被害が発生するおそれがあることです。

 水産動植物への毒性とは,相当量が広く使用された場合,水産動植物への被害が発生するおそれがあるものです。

 水質汚濁性とは,相当量が広く使用された場合公共用水域の汚濁が生じ,その汚染された水の利用が原因となって人畜に被害が生ずるおそれのあることです。(第3条第1項第4号~第7号)。

(2) 農薬の販売規制

 農薬を販売する者は,所在地を管轄する都道府県知事に氏名,住所,販売所を届け出なくてはなりません(第8条)。農薬の販売者は,農薬の容器包装に正規の表示のある農薬及び特定農薬以外販売してはなりません(第9条第1項)。

 農水大臣は,農薬の登録の変更を命じた場合などで,人畜の被害発生を防止するため必要がある場合は,省令でその農薬の販売禁止などを命じることができます(第9条第2項)。また,販売者が販売禁止命令に違反して販売した場合,人畜への被害発生を防ぐため,必要の範囲内において回収等必要な措置をとるよう命じることができるとされています(第9条の2)。

 製造者,輸入者,販売者は,帳簿を備え付け,農薬の種類別に製造・輸入・譲受数量・譲渡数量などを真実かつ完全に記載し,最低3年間保存する義務があります(第10条)。

 なお製造者,輸入者,販売者は,登録を受けていない農薬を登録農薬であると誤解させるような宣伝をしてはならず,有効成分や成果に関しても誤解を生ずるおそれのある名称を使用してはならないとされています(第10条の2)。

(3) 農薬の使用規制

 農薬は登録された適用病害虫及び使用方法どおり使用することが義務づけられています(12条)。

 原則的に,何人も容器包装に正しい表示がある農薬と特定農薬以外の農薬を使用してはならないとされています。

 また、水質汚濁性農薬として指定された農薬の使用は,事前に都道府県知事の許可を得なくてはなりません(第12条の2。水質汚濁性農薬とは,相当広範な地域でまとまって使用される農薬で,一定の気象条件,地理的条件などによって,水生動植物の被害が発生し,その被害が著しいものとなるおそれがあるか,公共用水域の水質汚濁が生じ,その水の利用が原因となって人畜に被害が生じるおそれがある農薬をいいます。

 平成15年には,農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令第5号)農水大臣及び環境大臣から出されました。

 そこでは、農薬使用者には,農作物や人畜,農地,水産動植物,公共用水域に被害が発生しないように使用する責務があること,表示事項を遵守すべきことが定められています。

 また、食用・飼料用農作物に農薬を使用する者は,適用農作物の範囲に含まれない農作物には使用してはならず,一定の使用量を超えたり,定められた最低限度を下回る希釈倍数で使用してもならないとされています。また規定された使用時期,総使用回数を超えて使用することも禁止されています。

 さらに、くん蒸により農薬を使用する場合,航空機を用いて農薬を使用する場合,ゴルフ場において農薬を使用する場合,各使用者は,使用者の住所氏名,使用計画等を記載した使用計画書を毎年,使用前に農水大臣に提出しなくてはなりません。航空機を使用する場合は,対象区域において,風速・風向を観測し,対象区域外への農薬の飛散を防がなくてはなりません。

 住宅地において農薬を使用する場合は,農薬の飛散を防止するために必要な措置を講じるよう努めるとされています。

 また、農薬使用者は,使用年月日・場所・対象農作物・農薬の種類や名称などを帳簿に記載するよう努めるとされています。

 

農薬の規制はどうなっているの?(農薬取締法・前半)

 食品の安全性に関して考えるとき、農薬の問題についてよく話題になりますが、日本ではどのような法規制になっているのでしょうか。農薬取締法について2回に分けて概観したいと思います。

(1)目的

農薬取締法は,農薬について登録制度を設け,販売及び使用の規制等を行うことにより,農薬の品質の適正化,安全かつ適正な使用の確保を図り,農業生産の安定と国民の健康保護に資するとともに,国民の生活環境の保全に寄与することを目的としています(第1条)。

  農薬の定義は法第1条の2に以下のように定められています。

 ①農作物等を害する病害虫の防除に用いられ殺菌剤,殺虫剤その他の薬剤

 ②農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤,発芽抑制剤その他   の薬剤

 ③天敵

 また、農作物等には,樹木及び農林産物を含みます。病害虫とは,菌,線虫,だに,昆虫,ねずみその他の動植物又はウィルスをいいます。白アリなどは,農作物を害する病害虫ではないので,白アリ駆除などの殺虫剤は農薬ではなく,農薬取締法は適用されません。

 

(2) 農薬登録制度

 農薬を製造又は輸入しようとする者は,農林水産大臣の登録を受けなくてはなりません。登録に当たっては急性毒性など,一定の毒性試験資料を添付しなければなりません。登録のない農薬を製造販売したり,使用することは禁止されています。

 登録すべき内容は,適用病害虫の範囲及び使用方法,人畜に有毒な農薬についてはその旨及び解毒方法,水産動植物に有毒な農薬はその旨,引火性・爆発性・皮膚を害するなどの危険のある農薬はその旨,貯蔵上または使用上の注意,製造上の名称及び住所,などとなっています。登録を受けた者は,省令で定める登録票を製造場や主たる事務所に備えつける義務があります(第6条)。

 登録有効期間は3年です(第5条)。

 農水大臣は,登録農薬につき,登録番号や種類名称,製造者の住所氏名などを広告することになっています(第6条の7)。

 製造者等は,登録後その農薬の適用病害虫の範囲等の変更申請をすることができます(第6条の2)。

 また申請書記載通り使用した場合,人畜に危険を及ぼすおそれがあるなどの有害性が分かった場合,農水大臣が職権で登録内容を変更したり,登録を取り消すことができます(第6条の3)。

 製造者は登録農薬の製造を廃止した場合,2週間以内に届け出る義務があります(第6条)。

 登録が取り消されたり変更された場合,あるいは製造者が製造を廃止する旨届け出た場合には,従前の登録は失効すします(第6条の5)。

 有効期間が満了し,再登録を受けないときや,登録取消,製造廃止等により失効した場合,登録事業者は登録票を農水大臣に返納しなくてはならなりません(第6条の6)。  また農水大臣は,登録が失効した場合,登録時と同様の広告をすることになっています(第6条の7)。

 登録農薬には,登録番号,種類・名称,物理的化学性状,有効成分と含有量,適用病害虫の範囲・使用方法,人畜に有害な農薬はその旨と解毒方法,貯蔵及び使用上の注意,最終有効年月など,一定の表示が義務づけられており,表示のない農薬の販売や使用は禁止されています(第7条)。

 なお原材料に照らし農作物,人畜,水産動植物などに害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして農水大臣及び環境大臣が指定する農薬(特定農薬)の場合は,登録が免除されています(第2条)。

民法改正でどう変わるの?

契約ルールを定める債権法を大幅に見直す民法改正案が5月26日に可決されましました。公布から3年以内に施行されるとされています。債権部分の抜本改正は民法制定以来、約120年ぶりです。この間の判例で定着したルールを法案に明記するなどし、時代に即した民法にするのが改正の目的です。

改正内容は多岐にわたりますが、主な改正点は、以下になります。

1 消滅時効が、原則として「請求できると知った時から5年」に統一されます。

飲食代は1年、医師の診療報酬は3年などと業種ごとに異なる「短期消滅時効」が廃止され、新たに「権利が行使できると知ったときから5年」とする一般原則がつくられます。

2 当事者間で利息を定めていない場合に適用する「法定利率」は、現在は年5%に固定されていますが、低金利時代の実勢に合わせ3%に引き下げ、さらに3年ごとに見直す変動制が導入されます。

3 インターネット販売のように不特定多数の消費者に示す「約款」に関する規定が新設されます。一方的に利益を害すると認められた内容は無効になると定められます。

4 中小企業への融資などで個人で保証人になる場合、連帯保証には、公証人による自発的な意思の確認が必要となります。

5 重度の認知症など判断能力がない人の法律行為は無効であるとされました。

6 賃貸住宅の敷金返還のルールが新設されました。

 

 

交通事故被害にあった時のペットの飼育費用

子供のいる世帯よりもペットを飼っている世帯が多くなったと聞きます。不幸にして交通事故被害にあって入院しているときなど、ペットの世話をしてくれる人を探さなければなりませんが、その費用は加害者に支払ってもらえるのでしょうか。判例では、認めるものが現れてきています。

①愛犬2頭の14か月半の預け費用132万円のうち65万円を認めたもの。

②一人暮らしの女性が入院期間中ペットの猫の世話をした他人に依頼した謝礼として15万円を認めたもの。

③飼い犬を128日間」ペットホテル業者に預けた費用32万円を認めたもの。

(いずれも損害賠償算定基準平成29年度版より)

ペットを残して入院するのは、家族を残して入院するのと同じですから、安心して治療してもらえるようにしてほしいという飼い主の意思が反映した判例が出てきたことは、飼い主さんにとっては良い傾向といえますね。

ウインナープラント見学

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プリマハム茨城工場に昨年5月に新しいウインナー工場が出来たので見学に行ってきました。原材料の処理から包装までのすべての流れを見学用通路から見ることができ、機械での処理の様子はタッチパネルの画面からも理解する事ができ、とてもわかりやすいです。衛生面での配慮がとても行き届いており、ISOなど国際的な安全基準に準拠しているのはもちろんの事、外気が建物に直接流れ込んでこないような出入り口仕組みにや、トイレは消毒をしないと出口の自動ドアが明かないようになっているなど、細かな衛生面での配慮がみられました。また、異物混入を排除するため、目視、金属探知機、X線と何段階ものチェックが行われていました。まだ稼働して1年程度の為、一般見学は受け付けていないようですが、今後、公開された時は行ってみると、安心安全の取り組みの理解に良いと思います。

動物愛護法改正に向けた院内集会

 

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動物愛護法改正の院内集会に報告者として出席しました。オーダーは、「わかりやすく問題点を説明してほしい」とのことでしたが、論点がありすぎて持ち時間10分ではとうてい無理。普段ならレジュメを詳しくしてカバーするのですが、今回は要請が直前だったため、作成時間もなし。とりあえず、業者の登録制の問題と、週令規制だけ簡単に話しましたが、それでも時間をオーバーして、タイムキーパーの方に時間オーバーの合図をされてしまいました。集会には、殺処分ゼロを目指す超党派議員連盟松野頼久議員、福島みずほ議員もいらっしゃっていました。

私がレジュメで挙げた論点は、下記のものです。ご参考までに。

  • 動物取扱業者の適正化 登録制と許可制
  •  週令規制
  •  自治体の収容施設
  •  マイクロチップの義務化
  •  飼主のいない猫の繁殖制限 地域猫活動
  •  不妊去勢の義務化
  •  実験動物の扱い
  •  ペットの高齢化