弁護士佐藤光子のブログ

弁護士佐藤光子(東京弁護士会所属)が食品安全やペット問題、環境問題、医療問題など関心分野について日々つづるブログです

「但馬牛」を「神戸牛」と偽装したときの法的問題と対処

JA全農兵庫の牛肉偽装事件について、Webニュースでコメントさせていただきました。食品偽装問題は、法改正にもかかわらず、後を絶ちません。それだけ偽装してでも儲けようという不当な誘因が強いのでしょう。しかし、いったん失った信用を回復するのは食品関係では大変なことです。JA全農兵庫の対応は素早く、行政や警察が入り込むまえに、自ら出来ることをすることで、その介入のリスクを減らしたものと言えましょう。

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機能性表示食品における表示・広告の実務最前線 ~トラブル回避のために知っておくべきこと~

機能性表示食品における表示・広告の実務最前線

~トラブル回避のために知っておくべきこと~

をテーマに講演をします!興味のある方は是非ご参加下さい。

お申込は下記サイトからお願いいたします。http://www.johokiko.co.jp/seminar_medical/AA180271.php 

日時 2018年2月16日(金) 12:30-16:30
会場 [東京・浜松町]太陽化学(株)東京本社内 おいしさ科学館8階ホール

主催 情報機構

 

■講座のポイント
平成27年に機能性食品表示制度が開始され、消費者の健康志向の高まりの中、市場規模は拡大傾向にあります。消費者の安全性や効果への関心が高く、その関連法規を正しく理解することが求められます。
機能性表示食品の関連法規による表示規制は様々です。適切に表現しなければ、行政対応によるリスクや、刑事罰を受けるリスクもありますが、具体的に判断することがなかなか難しい部分もあります。
本講座では機能性食品表示に関する法令を網羅的に理解して規制のポイントを押さえ、表示の現場で判断できるように具体例を用いて説明します。

■受講後、習得できること 
・機能性食品表示に関する法令を網羅的に理解できる
・どのような広告規制があるのか理解できる
・具体的な広告・表現に違反がないか否かが判断できる

■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
食品表示
景品表示法
医薬品医療機器等法
不正競争防止法
健康増進法

 

<プログラム>

1.そもそも機能性表示食品とは?
 ・機能性表示食品制度
 ・特定用保健食品との違いなど
 ・食品の表示規制の持つ意味

2.機能性表示食品を取り巻く法規制、罰則概観
 ・食品表示
 ・景表法
 ・薬機法
 ・健康増進法
 ・不正競争防止法
 ・製造物責任法(PL法、アレルギー表示)

3.景品表示法による規制詳細
 ・優良誤認・有利誤認とは
 ・ 優良誤認か否かの判断基準
 ・ 有利誤認か否かの判断基準
 ・ 違反の場合どうなるか(措置命令、課徴金)

4.各種法規を踏まえた広告表現の具体例検討
 ・届出表示はどこまで簡略化してよいのか、有効性はどこまで書いてもよいのか、優    良誤認、誇大広告はどこをみてNGと判断されているのかなど、具体例を用い、実際の業務に繋げられるよう詳細に解説します!

 

 

「TOKYO創業ステーション」との懇親会

「TOKYO創業ステーション」担当者の皆様と、法律相談を担当している弁護士、これから担当予定の弁護士との懇親会に先日、出席してきました。
東京都と東京都中小企業振興公社は今年1月に、東京における創業・起業支援の拠点として「TOKYO創業ステーション」を丸の内の明治安田生命ビル内にオープンしました。
ビルの1階、2階にわたるTOKYO創業ステーションで1階は起業家同士の交流やセミナー利用ができるイベント・ラウンジスペース「Startup Hub Tokyo」(スタートアップ ハブ トウキョウ)。2階は創業支援をトータルで行う「創業ワンストップサポートフロア」があります。
1階のStartup Hub Tokyoは起業家同士での交流を促進するイベント・ラウンジスペースをはじめとして、一部会員限定で利用ができるメンバーズサロン、キッズサロンなども設置しています。おしゃれなゆったりした空間です。会員になると、ラウンジでのフリーWi-Fiの利用や起業経験者のみで構成されているコンシェルジュへの相談可能です。
2階の創業ワンストップサポートフロアは、東京都中小企業振興公社が運営を行い、創業前から創業5年以内の起業家のサポートを中心に施設を運営しています。
プランコンサルティングや創業支援をはじめ、起業・独立をトータルでサポートしていける体制となっています。
また、女性に特化した創業支援メニューも強化しており、現在は起業体験プログラムの「プチ起業スクエア」、起業仲間とビジネスプランを作る「女性起業ゼミ」という2つのプログラムを設置しています。
スタートアップ的な雰囲気を持ったオープンなスペースに、具体的な創業サポートを行う施設が融合しており、使い勝手は良いのではないかと思います。
昨日も、ラウンジでは熱心に本を読んでいるヒトや数人で相談しているヒトなど、ゆったり、熱心という心地いい感じの空間になっていました。
ご本人も起業経験のある方々がコンシェルジェとして起業をお考えの方の相談に乗っており、昨日は「これって法律問題かも」と思う案件や、「グレーゾーンかもと」思う案件について、法的にどう対応すべきか弁護士と意見交換がありました。法律的な相談とは言うものの、話を聞いていて、新しいことを始めようという方々の、わくわく感が伝わってくる感じでした。起業をお考えの方は「TOKYO創業ステーション」を積極的に利用してアイディアを実現していって欲しいと思いました。

藤野真紀子さんインタビュー

東京弁護士会に所属する全弁護士に毎月配布される会報のLIBLA11月号に、私が担当させていただいた料理研究家の藤野真紀子さんのインタビュー記事が掲載されました。海外でのお料理研究のこと、動物保護の活動(主に東京ZEROキャンペーン)のこと、食育のとりくみなどについてインタビューさせて頂きました。

会員ではない皆様も、会報はLIBLA ONLINEから読むことができます。

www.toben.or.jp

藤野さんのインタビュー記事

https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2017_11/p22-25.pdf

食品と廃棄物処理法

食品業者にとって廃棄物処理は適切に対応しなければならない問題です。廃棄物については廃棄物処理法があり、この法にのっとった処理が必要です。 

廃棄物処理法のいう「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいいます。
「不要物」とは何かは条文上は定められていませんが、最高裁平成11年3月10日判決では、「自ら利用し又は他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要になった物をいい、これに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案して決するのが相当である。」とされています。

廃棄物には「一般廃棄物」「産業廃棄物」「特別管理産業廃棄物(爆発性、毒性、感染性等の危険のある産業廃棄物)」があり、それぞれ、処理方法が別になります。事業者が「産業廃棄物」を「一般廃棄物」として処理した場合はもちろんこと、「一般廃棄物」を「産業廃棄物」も廃棄物処理法違反となるので注意が必要です。廃棄物処理業者は、「産業廃棄物」と「一般廃棄物」とそれぞれ別に運搬、処理を行う許可が必要となっています。
    
      

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動物愛護法改正 動物取扱業者の規制(5)ー 許可制、免許制への移行ー

前回書いたような登録制の下での改正も考えられますが
ただ、登録制はあくまで登録制であることの限界もあります。

・繁殖業者に関しては、動物の母体の安全性や、遺伝的な問題など、専門的な見地も求められることから、登録制以上の規制を導入し、繁殖に的確な知見を有する適格者のみに営業を認める免許制にするということを考えても良いと思います。そのうえで、繁殖業者には飼養管理について具体的な繁殖制限規制などの導入の検討がなされても良いかと思います。

・偽名や架空住所、虚偽の資格要件でも登録ができてしまっているという問題点も聞きますので、許可制や免許制で身元確認を厳しくするということも考えられると思います。

・さらに無登録や不正の手段による登録は罰則があり、100万円以下の罰金となっていますが、実際のところ無登録営業の告発はなされていないようです。動物愛護法の登録制は実質的許可制で厳しめに制定されているから許可制にする必要はないという主張も聞きますが、実際に厳しい運用はなされていないのでは意味がなく、現状を見ると登録制では限界なのかという気もします。

原則禁止の行為を例外的に許可するというのが許可制ですので、形式的な規制のレベルとしても許可制まであげて上げて実効性を担保するということも考えられると思います。

以上、思いつく改善点をあげてみました。もちろん一気にすべてということではないかもしれませんし、営業の自由の過度の制約になるのではと危惧する意見も耳にします。しかし、現状で動物取扱業者の問題が指摘され、適切な法の規制、運用ができていない以上、動物愛護法に定めるヒトと動物の共生する社会の実現という目的達成の上で必要な政策的な制約として、次期改正での動物取扱業者の規制の厳格化はやむを得ないのではないかと考えています。

動物愛護法改正 動物取扱業者の規制(4)ー 登録制の下でできることー

 では、今後、動物取扱業者の規制のために、動物愛護法はどのように改正、改善していけば良いのでしょうか。
 方法としては、現行の登録制のもとでできることとしては、下記のようなことがあげられると思います。

① 現行法では、動物愛護法違反等の関連法違反で罰金以上が確定しないと登録拒否で   きませんし、関連法違反がないと登録取消、業務停止を適用できません。たとえば繁殖業者が動物愛護センターに虚偽の申告をして偽計業務妨罪に問われたケースや、動物の大量遺棄で廃棄物処理法違反に問われた場合は、これには当たらなくなってしまう訳で、登録拒否、登録取り消しと言ったことができなくなっています。そのため、対象となる法や動物由来の事件に対象を広げることを検討しても良いのではないかとも考えられます。

② 登録時、更新時の立ち入りは現在は任意ですが、これを義務化して、登録させるのに妥当な業者かを確認することが検討されても良いと思います。  

③ 取消処分は、現行は取り消すことが「できる」と任意で、行政裁量の余地があるため、業者にとっては不利益処分となる業務停止や登録取り消しを行政は慎重に行使しようとするあまり、実際はほとんど行使されていません。必ず取り消すことにするという必要的取り消しが検討されても良いでしょう。

④ 登録取消後の再度の登録の欠格期間を現行の2年から引き上げ、厳しくし5年に延長することが検討されても良いでしょう。

⑤ 動物保護の現場から指摘されている、問題が多い動物輸送業につて、現在は動物取扱業ではありませんが、動物取扱業に追加をして、動物愛護法の規制の対象とすることが考えられます。

⑥ 現場の行政機関が、動物愛護法違反か否かについて判断し、適切な対応がとりやすいように、具体的な飼養施設の数値基準や行政処分の基準を策定することが考えられます。