弁護士佐藤光子のブログ

弁護士佐藤光子(東京弁護士会所属)のブログです

ミニセミナー「新型コロナウイルス感染症に関連した労務問題」をいたしました

 東京商工会議所女性会の交流・観光委員会 ”プラスαの人的・知的交流” ICT活用推進の取り組みで新型コロナウイルス感染症に関連した労務問題』というミニセミナーをさせていただきました。

オンラインで経営者の研さん・知的交流『オンラインセミナー №1~「オンライン名刺・バーチャル背景名刺作成のための基本セミナー」~』、『専門家解説 №9』~第5回 交流・観光委員会 ”プラスαの人的・知的交流” ICT活用推進の取り組み~ | 東京商工会議所女性会 (tokyo-cci.or.jp)

コロナ流行に伴う子育てと育休への経営者の対応

従業員の子供の通学している小学校が臨時休業したことで、経営者が休暇制度を考えている場合、国の補助等はあるでしょうか。臨時休業した小学校や特別支援学校、幼稚園、保育所認定こども園などに通う子どもを世話するために、2月27日から従業員(正規・非正規を問わず)に、使用者が有給の休暇(法定の年次有給休暇を除く)を取得させた場合、休暇中に支払った賃金の全額(1日8,330円が上限)を助成する制度があります。これは期限付きでしたが、12月30日まで延長されました。

また、 育休から復帰予定(現在育休中)の従業員から、新型コロナを理由として保育所から登園を控えるよう要請があったことから、育休を延長できないかと経営者が聞かれた場合、育休の延長について、どう取り扱えばよいでしょうか。

育児休業は、原則として、1歳に満たない子を養育する男女労働者が取得することができ、例外として、雇用の継続のために特に必要と認められる場合、1歳6ヶ月まで延長することができます。

令和2年3月26日、厚労省通達により、延長できるケースにつき、暫定的な取扱いとして、「保育所等の内定を受けている場合又は保育所等へ子を入所させている場合であって、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、子が1歳に達する日の翌日において保育所等が臨時休園となっている場合又は市町村若しくは保育所等から登園を控える旨要請がなされている場合」も該当する旨示されました。これに該当する場合は、従業員から育休延長の申出があった場合、使用者は、これを拒むことはできません。

レシピと著作権

お料理教室に通っている方のなかには、習ったレシピをさらに教えてよいか、SNSにアップしてよいかなど気になる方もいるかもしれません。

お料理の作り方、レシピや配合といったアイデア著作権の対象にはなりませんので、習ったことを、他の人にさらに教えること自体は著作権侵害にはなりません。

但し、気を付けなければならないのは、レシピを紹介した文章は、作成者の個性が表れていれば著作物として著作権の保護の対象となりますので、そのままコピペするような行為は著作権侵害となる可能性があります。別途、自分で材料や手順などを書き起こせば、侵害にはならないでしょう。

写真も著作物として保護の対象となりますので、雑誌やSNS等の写真の無断転載はしないようにしたほうが良いでしょう。レシピに基づいて作った料理を自分で写真を撮りアップすることは問題はありません。

 

 

東京都の中小企業SDGs経営推進事業

東京都と(公財)東京都中小企業振興公社は、「中小企業SDGs経営推進事業」を本年度より新たに実施し、SDGs経営に取り組む意欲や関心のある都内中小企業者に対し、SDGs経営の基本的な内容から実際の取組を見据えた具現化までを一貫して支援するそうです。

SDGsを経営に取り込むことは、企業価値を高め、ビジネスチャンスの獲得のきっかけにもつながる可能性があり、中小企業にとっても大きなテーマとなっています。

その一環として、令和2年11月9日(月曜日)10時00分から11月13日(金曜日)17時00分までSDGs経営についての基本的な内容から今後の展開、さらには実際にSDGs経営に積極的に取り組んでいる企業による事例紹介など、SDGs経営についてのセミナーを開催するそうです。


www.metro.tokyo.lg.jp

中小企業のためのSDGs

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な世界を実現するための、国際的な開発目標のことを指します。17のゴールと、ゴールを達成するために169の達成基準から構成されています。2015年の国連持続可能な開発サミットでで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に、このSDGsが記載されました。加盟国は目標達成のために各国内の仕組みを確立していくことが求められます。「経済成長」「社会的包摂(社会的に弱い立場にある人々も排除されないようにすること)」「環境保護」が、持続可能な開発に必要であるとされています。

SDGsは、目標達成のために、企業による積極的な取り組みも求めており、企業のビジネスモデル自体にSDGsの観点を組み入れることが想定されています。しかし、我が国の中小企業の取り組みは遅れており、2018年のある調査では、中小企業の8割以上の経営者がSDGsについて全く知らないという結果が出たようです。

ただ、このような状況だからこそ、一歩先んじてSDGsに取り組むことは、中小企業にとって新たなビジネスチャンスの獲得の機会が広がるとも言えます。SDGsをどう経営に取り入れるか、ご興味がありましたら、是非ご相談ください。

 

食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)

食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)は、2019年10月1日に施行された法律ですが、意外と知られていなかったりします。

内容としては、食品ロス削減の推進、基本的な方針や施策などが盛り込まれており、食品ロスの削減に関して国や地方自治体などの責務などを明らかにし、基本方針の策定や食品ロス削減に関する施策の基本事項を定めており、総合的な推進を目的としています。

(参照)

「食品ロスの削減の推進に関する法律の概要」消費者庁https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/promote/

「食品ロスの削減の推進に関する法律の施行及び本年10月の食品ロス削減月間について」農林水産庁https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kankyoi/190924.html

 

食品事故と製造物責任(PL法)(12)

⑪ 東京地判 平成29年9月5日

長ネギを洗浄、小口切りにし真空包装した生食用長ねぎにO-148が付着し、給食施設で食中毒が発生した事件。被害者へ保険金を支払った保険会社が、PLと不法行為で長ねぎ加工業者に損害賠償請求。

  生食用の長ねぎにO-148が付着していたことが「欠陥」→PL

  加工するにあたり適切な洗浄や消毒を行わなかった「過失」→不法行為

事実関係を詳細に検討し、引き渡し時にO148が付着していたと推認する事情なく、他施設では食中毒が発生していないなどの事情から「欠陥」なし

食中毒の発生が殺菌消毒の不備によると認めるに足りる事情がなく結果回避義務違反はなく、不法行為上の過失もない

請求棄却